相続税

相続税

相続税とは死亡した人の財産を残された人が譲り受ける際に支払わなければいけない税金です。 法定相続人の数により、相続税の基礎控除が定められています。
相続の遺産の金額によっては、相続税がかからないケースもあります。
なお、相続税の改正があり、平成27年1月1日より相続税の基礎控除額が引き下げられ、今までは相続税を払わなくてもよかった人も払わなければいけなくなったため、ニュースなどでも取り上げられていたのを見た方も多いのではないでしょうか。

相続税の申告期限は?

相続税の申告期限は、被相続者がその人の死亡を知った翌日から10ヶ月以内に申告と納税を終了させなければいけません。 (なお、準確定申告の期限は4ヶ月以内となります) 期限が土曜日、日曜日や祝日だった場合はその翌日になります。 10ヶ月を過ぎると他の税金と同じように延滞税などの追徴がありますので注意が必要です。 また、申告する税務署は相続を受ける被相続人の住所を所轄する税務署になります。

相続い伴うおもな手続きと期限

※1 遺言執行者が指定されていないときは、家庭裁判所に申し立て選任してもらう
※2 いずれも住所地の家庭裁判所で手続きするが、相続放棄は一人づつ単独で行うこともできる。限定承認は相続人全員で手続きすることが必要
※3 被相続人の亡くなった年について、1月1日から亡くなるまでの所得税を確定申告で清算する
※4 相続人全員で話し合い、それぞれの遺産の取得分を決める
※5 遺産分割協議によって決まった各相続人の取得分を、文書にして全員で署名・押印する
※6 相続財産を受け取った相続人が、取得分に応じて納税する
※7 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に最低保証される相続割合。遺言書などで遺留分を侵害する相続が行われた場合、侵害された相続人は、この手続きで遺留分を請求することができる

相続税がかからない人は?

相続税は、基礎控除の金額が大きいため、相続の遺産の額によっては、相続税がかからないというケースもよくあります。

相続税の基礎控除とは

相続税の基礎控除により、3000万円+(法定相続人の数×600万円)までの相続財産であれば、相続税はかかりません。 たとえば、相続人が奥様と子供二人の場合は、法定相続人が3人ということになり、4800万円までであれば相続税はかからない計算になります。 相続税の基礎控除だけでは相続税の対象となってしまう場合でも、亡くなった人の葬儀費用などは相続財産から差し引くこともできますので、細かなことは専門の税理士と打合せをしながら申告の準備を進めていきます。

※1 基礎控除後に0以下になれば相続税はかからない
※2 基礎控除額は下記表の通り

法定相続人の人数と基礎控除額
人数基礎控除額
1人3600万円
2人4200万円
3人4800万円
4人5400万円
5人6000万円

相続税の計算方法

相続税の計算方法ですが、相続財産(プラスの財産と借金などのマイナスの財産も含む)の金額を計算して算出します。 預金などは金額もわかりやすいですが、土地は路線価、建物は固定資産評価額で算定されます。
この相続財産の評価の差異を利用して、相続税の節税が行われるケースもあります。 最近だと、相続税を少なくしようとタワーマンションの高層階を購入して相続税を節税するというような手法なども行われています。

なお、相続税の税率は、遺産を相続した額からこの基礎控除分を差し引いた金額に対して税率が決められています。 相続財産の金額が多くなれば多くなるほど、税率も高くなる計算になっています。

相続の財産の対象

相続財産として引き継ぐものは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も考慮します。 以下の図をご覧ください。

プラス財産

金融財産

預貯金、現金、有価証券(公社債、国債、上場株式、投資信託)など

不動産

家賃(賃家も含む)、宅地(賃家建付地も含む)、借地権、農地・山林など

その他

ゴルフ会員権、リゾート会員権、貴金属、宝石、書画、骨董、車、債権、著作権、商標権など

みなし相続財産

保険会社から受け取る死亡保険金
(契約者と被保険者が同じで、被相続人の死亡時に相続人に支払われる死亡保険金、脂肪給付金、死亡一時金など)
勤務先から支払われる死亡退職金
(通常は配偶者、配偶者がいなければ子どもなどの相続人に支払われる)
※一定の非課税額があり、その分を差し引いて残った分を相続財産に加える

マイナス財産

債務

住宅ローンなどの金融機関からの借入金の残金、クレジットカードの未決済分、未払いの入院費や医療費、税金

葬式費用

通常の通夜・葬儀に伴い葬儀社や寺などに支払った費用一式
(香典返しや初七日・四十九日などの法要の費用は認められない)

非課税財産

生前から所有していた墓地・墓石、霊●、仏壇・仏具など(不当に豪額な仏像等は除く)、交易事業用の財産、寄付財産(国や特定の公益法人に対するもので、相続税の申告期限内に寄付するなど条件あり)

準確定申告とは

また、相続人には亡くなった人の亡くなる前のその年の分の行うべき確定申告も行わなければいけません。
この確定申告のことを、準確定申告と呼びます。 準確定申告は相続人がその年の1月1日からなくなる日までの所得金額と税額を計算し、相続があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。

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